- 作者: 有川浩,徒花スクモ
- 出版社/メーカー: KADOKAWA/角川書店
- 発売日: 2011/04/23
- メディア: 文庫
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p.91~100
突発性難聴を患う毬江。
p.100
タイトルは「レインツリーの国」
ここからレインツリーの国がキーワードになっていく。
良化委員にとって格好の餌食。
そして、小牧教官は良化委員に連行・拘束されることになる。
p.115
「中澤さん耳が悪いのに、難聴のヒロインの本を勧めるなんてちょっと無神経じゃない?」
もともと世論が図書隊とは違う方向に進んでいることや、
教育委員会の意思諸々で、ちょっとしたことが、
どんどん大きくなっていく。
結局、大多数に流れてしまうのが世論なんだよなあって
痛感するシーンだった。
p.136
毬江のことでなければ途中で挫けた。
執拗に毬江への人権侵害を認めさせようとするこの連中をここまで突っぱねていられるのは、ただその思いがあるからだ。
あの子が自由に本を楽しむ権利も感性も誰にも否定させるものか。
小牧教官の毬江に対する思いが(;;)
もともとどんな意志で図書隊に入ったんだろう。
それはここからはわからないけど、
この時点では毬江への気持ちが原動力に繋がっているのかなあと思った。
p.141
ああ―—なんて強くなったんだろうね、君は。
小さいときから知っている毬江の成長をこんなところで感じるとはだれも思っていなかっただろうなあと思うと同時に、小牧教官にとって毬江はずっと幼くて、子どもだと思っていた存在だったのに、どんどん成長して大人になっていることを強く感じた瞬間だったと思う。その気持ちがこの一言に凝縮されているような気がした。うれしいような、寂しいような、どっちの気持ちも交じっているような、そんな一言に感じた。
p.209
だからあたしあんたが大好きよ、笠原。
高校生のときに面倒なことに巻き込まれた柴崎。心の底から信じられる人はいなくて、だけどそこに現れた笠原という存在。直感型の笠原は、柴崎にとって新鮮だったのかもしれないし、真逆ののタイプのように感じたのかもしれない。そんな笠原が柴崎を守ってくれた。計算ではなく、直感で。その直感の行動が柴崎を救っている。大好きよっていう言葉は柴崎から笠原への最大の褒め言葉だと思う。
p.287
苦笑するかな、と思った堂上はびっくりするほど優しく笑い、「いい子だ」と郁の頭を一回撫でた。
郁が良化委員に疑惑をかけれらるシーン。堂上は郁のことを本気で信じているし、絶対に守らないといけないって思ってる。良化委員からの疑惑による厳しさは堂上自身も体験している。だからこそ、絶対に良化委員に引き渡したくなかった。でも郁は大丈夫だって言った。「励めよ」と言う堂上教官が「いい子だ」って言って、頭を撫でたのは郁の頑張るという気持ちへの最大の励ましを含んでいる。誰よりも郁を心配して、見捨てずにきた堂上教官の苦しい気持ちを考えると胸がきゅーっとなる。
p.297
「命令だ。 辛くなったら必ず俺に言え」
どう答えていいのか分からず口籠った郁に、堂上が「返事は」と強く促した。
「はいっ!」
迫力に負けて敬礼もつける。すると堂上は少し表情を緩めた。
「よし、約束したぞ」
「約束なんですか?」
命令って言ったのに。疑問に思ったので素直に口にすると、堂上は顔をしかめた。
「お前が守れるならどっちでもいいんだ。好きなほうで覚えとけ」
怒ったように言い捨てて部屋を出る。
堂上教官んんんんんん!!!!><
かっこよすぎるよおおおおおおお(;;)!!!
どこまでツンなの…だけど、ちゃんと堂上教官の思いが郁に伝わってるのも感じるし、たまらないです(;;)
p.310
「よく頑張ったな」
「今優しくしちゃイヤです……」
泣きそう、と呟いた声はもう潤んだ。
「泣いてもいいぞ」
司令部庁舎で査問を受けた後のシーン。頭脳戦の苦手な笠原のために堂上たちは査問対策集を渡して、笠原はそれを何とか覚え、何とか査問受け答えする。そして、時間きっちりに迎えに来るのは堂上である。どこまで笠原のために動いちゃうんだ、堂上教官。で、きっちりフォローもする。どこまでかっこいいんだ、堂上教官。郁が衝撃に弱いことを知ってるからこその言動だし、本当に郁を守りたいって思ってるんだろうなあって思う。
p.357
「俺が迎えに来たかったのは俺の勝手だ」
「お前、今いろいろきついから心配して当たり前だろう。俺はお前の上官なんだから」
「よくやった」
堂上の手が頭を撫でようとして、面白くなさそうに「お前、なに踵の高い靴履いてんだ」と、いつもより腕を伸ばした気配で郁の頭に手が乗った。
あああああああああ!!!><♡
良化委員のせいで、寮でつらい思いしている郁の気持ちを慮っている教官の頼もしさがにじみ出てる…。寮は女子と男子で別れているから、どうしても寮の中では郁を守り切れない。その分、寮では柴崎がしっかりフォローに回ってくれている。寮では守れない分、普段は誰よりも郁のフォローに回っているし、誰よりも郁のことを考えている。部下だって割り切ってるだけではできないことだと思う。もどかしい!!!
爆弾を投げ込まれて終わるわけだけど、それは郁にとっての爆弾であって、読者や教官たちには何の爆弾にもならない。堂上教官にとっては違う意味でかなりの爆弾になるかもしれないけど。この不器用な2人がどうなるのかワクワクする!
危なっかしかった郁はどんどん成長していて、どうなっていくのかも楽しみ。
図書館シリーズ1同様に、何かあったら、一番に助け舟を出してくれる堂上教官のかっこよさが、本当にたまらないし、頭を撫でてくるのは本当に反則だと思うの。本当にずるい。きゅんきゅんが止まらないいいいいいいい。爆